コロナ禍での地域活動とは?(イベントレポート:第32回てんびん倶楽部①)

コロナ禍では対面で集うことをついためらってしまう・・・。新型コロナウィルス感染症拡大は、地域で集まることそのことまでも基準や判断を強いるようになってしまった。

隔月で開催していた「てんびん倶楽部」も3月は休会、迷いながら5月に再開、今年度第2回目の同会を先日(2020年7月28日)開催した。そのレポートを2回に分けてお届けする。

五個荘(ごかしょう)には「てんびん倶楽部」という集まりがあり、これは五個荘地区の福祉・医療専門職の専門職と住民団体などのみなさんが同じテーブルで様々な地域課題を話し合う場のこと。

今回は、2部構成とし、第1部で五個荘地区社会福祉協議会(以下、地区社協)と五個荘地区まちづくり協議会(以下、まちづくり協議会)の今年度の事業計画を、第2部で今年度から5か年計画で始まった「第2期東近江市子ども・子育て支援計画」の概要をメンバーが共有することを目的に計画し開催した。

まず、地区社協の深尾浄信会長からの報告。

地区社協は地区内の各種団体や住民の方々により運営されている団体で、事業においては、とりわけ、自治会単位で設置する福祉委員の活動充実に力を入れている。福祉委員は各自治会内で集いの場や居場所づくり、見守りの場づくりの推進と充実を図るキーパーソン。

深尾さんは「福祉委員さんには地域の『世話焼きさん』として民生委員児童委員や自治会長と連携しながら活動を進めていくことを期待している。そして『防災マップ』や『支え合いマップ』づくりなどをとおして“気づき”の場を自治会で作っていきたい。また、地区社協では今後さらに事業を充実させるためには、財政基盤の強化が必要となるため、昨年度には『賛助会員』制度を設け、地区内の個人や団体、事業所の協力をお願いしたい」と話した。

次は、まちづくり協議会の小杉勇会長からの報告。

まちづくり協議会は、平成18年に設立以降、長年にわたり五個荘の「まちづくり」の事業に取り組んでいる。

小杉さんは、「まち協では、『安心安全事業部』、『歴史文化事業部』、『環境事業部』、『地域福祉事業部』、『情報誌事業部』の5つの事業部による事業とコミュニティセンター事業を実施していて、今年度は“第2層”の協議体である『五個荘地区住民福祉会議』の発足を受け、連携した活動に力を入れたい」と話した。

また、「重要伝統的建造物群保存地区に選定された金堂町の町並みを継承し、まちづくりに活かしていくために始まった「分散型ホテル」事業も始まっており、取り組みも今秋から本格的に取り組む。みなさまの協力を更にお願いしたい」ととした。

防災に関しては、「8月22日に予定していた五個荘地区の『五個荘地区総合防災訓練』は新型コロナウイルス感染拡大により中止し、替わって9月5日に「防災・減災と地域福祉のつどいを開催する」と話した。

 

冒頭にも記したが、今年度は新型コロナウイルス感染症拡大で、地区社協、まちづくり協議会ともに計画していた様々な事業やイベントが休止、もしくは大幅な見直しを余儀なくされ、難しい判断が続いている。

休止された事業には、五個荘の“財”(たから)ともいえる恒例のイベントがあったり、貴重な集いの場があったりした。

「コロナに負けず、その灯を消すことなく、地区社協やまちづくり協議会、そして五個荘地区住民福祉会議や地域住民の『チイキのチカラ』でこれらの“財”を守り、育んでいくんだ」という両会長の強い決意をお二人のお話から感じた。

(報告:社会福祉法人六心会 地域支援担当 地域支え合い推進員 奥村 昭)