今だからこその「3つの活動」・・・気づく、受け止める、つなぐ

みなさんは「福祉委員」の存在をご存知だろうか。「福祉委員」とは、自治会長の選任による福祉に関する地域ボランティアさんのこと、日常的に地域住民のみなさまと関わり、活動を展開している。

さる7月27日(月)夜五個荘コミュニティセンター大ホールにて、五個荘地区社会福祉協議会(以下、地区社協)主催、今年度最初の福祉委員のみなさま向け研修会が開催された。

新型コロナウイルスの感染が再び拡大傾向を見せるなか、会場の大ホールでは、座席の間隔を十分に空け、換気にも細心の注意を図りながら三密を防ぐ対策もばっちり。そして、コミュニティセンターの入口でマスクを着けた「てんびん坊や」が出迎えるなか、受付では感染予防のために手指消毒と地区社協が購入した非接触式体温計での体温測定、飛沫感染防止アクリル板を設置して万全の対策が施された。

五個荘地区社協深尾会長が開会の挨拶に続き福祉委員の役割について、「暮らしづらさを抱える人や気になる人が増えてきているなか、民生委員とともに身近な地域(自治会)で住民同士の見守りや支え合いを進めていく福祉委員の役割がますます大切になってきた」とし、福祉委員の「気づく」「受け止める」「つなぐ」という3つの活動のポイントについて、事例も交えながらの紹介があり、「自治会福祉委員会」での見守り会議の推進が大切であると強調された。

続いて、地区社協の西村事業部長が「命のバトン」について説明、「8月10日はバトンの日」-冷蔵庫の「命のバトン」が最新の情報に更新されているかどうか、その確認を兼ねた見守りや安否確認の取り組みを促進していきましょうと呼びかけた。

最後は、東近江市社協地域福祉課の中西さんと成田さん(五個荘地区担当)が「今だからこそ見守り、支え合い~コロナ禍における住民福祉活動」と題して講演された。

新型コロナウイルス感染症により、人と出会えない、集まれない、交流できない状況が続いている。先の見えない不安や地域の活動ができない葛藤、そして感染症対策への疲れやストレスが増す中、新型コロナウイルスとうまく付き合いながら、人とのつながりを切らず、お互いの暮らしを気にかけあい、支え合うためにはどうしたら良いのか……。中西さんと成田さんからは市内各地域で様々な工夫をしながら取り組まれている事例とともに、五個荘での新しいニュースとして川並町の結神社での「コミュニティ食堂てんびんの里みなみ」の取り組みが紹介された。

市社協では例年、市内各地の集いの場を「集いいね!」として取材、資源の見える化をされているが、このコロナ禍ではなかなか難しい。そこで、「集(わなくても)いいね!」ということで、対面で集まれなくても見守りができる事例が披露され、京都新聞でも取り上げられた地区社協の見守り訪問事業と一緒にマスクとメッセージを届ける活動、開催が難しいふれあいサロンの代替活動としての「お弁当のテイクアウト」、ページング放送を活用したラジオ体操の放送、安否確認電話や手紙など市内で工夫されている活動が紹介された。

小雨が降る中、39名の福祉委員と13名の民生委員児童委員、18名の地区社協の理事(民生委員児童委員を兼ねる方含む)の合計70名が参加され、熱心に耳を傾けた。

新型コロナウイルス感染には「自己防御」しながらも、五個荘の福祉委員、民生委員児童委員の皆さんによる五個荘の住民の幸せを「熱」く「心」に思う取り組みが、きっと新型コロナウイスを吹き飛ばしてくれる。そんなことを感じた研修会だった。

(報告:社会福祉法人六心会 地域支援担当 地域支え合い推進員 奥村 昭)