秋晴れのコミュニティ食堂

令和3年10月24日(日)の午前10時、新型コロナウイルスまん延防止等緊急措置に続く非常事態宣言によって、8月、9月の2度にわたり中止していた「コミュニティ食堂てんびんの里みなみ」(以下、子ども食堂)を再開した。

前日は、近畿地方に観測史上最も早く「木枯らし1号」が吹き、お天気がやや心配であったが、爽やかな秋晴れとなった。

2か月振りの子ども食堂である。

民生委員の奥井さんは、子どもたちや保護者の方に声をかけてくださり、自治会の掲示板やダストピットにチラシを貼りだして開催を案内してくださっていたが、「どれくらいの子ども達は来てくれるだろうか」とやや心配な面持ちであった。

心配は杞憂に終わった。

午前10時近くになると、子ども達が続々とやってきた。

一方、9時頃から、五個荘地区子ども会指導者連絡協議会(子ども会指導者連協)の4名のボランティアの方々が川並公園の防災用かまどベンチを使って炭で火を起こし始めてくださっていた。

そして、子ども食堂のスタッフが、濡れた新聞紙で包んださつま芋を、アルミホイルで巻く。その芋を、子ども会指導者連協の方々が、かまどの網の上に置き、底に穴を開けたオイルカンを被せて、焼き始める。

10時を過ぎるころには、子ども達は26名集まった。

結神社で受付をし、川並公園に全員集合して、保護者の方も一緒に芋堀りに出発。

今回の芋掘りには、川並町の方が「子ども食堂のために」と、自分の畑を2畝提供してくださり、60株のさつま芋を植えてくださっていた。

晴天が続いたこともあり、少し土が固くなっていたが、子ども達も大人も一緒になって一生懸命芋掘りをする。

一輪車がいっぱいになるほどのさつま芋が収穫できた。

芋掘りが終わるころに、結神社に東近江市移動図書館が到着。図書館のスタッフの方々が手際よく、鳥居の前のテーブルに本を並べる。

 

芋掘りから戻ってきた子どもたちは、鳥居の前に並んだ本を手に取って眺めたり、声に出して読んだりしている。お気に入りの本がみつかったら、早速借りて読む子どもの姿も。

また、公園の遊具で遊んだり、特別養護老人ホーム清水苑や養護老人ホームきぬがさから持ってきた輪投げやフラフープ、バドミントンで遊んだり、思い思いの遊びの時間を過ごす。

この日の食事は、八日市調理師会がご厚意で作ってくださったお弁当とキノコの和風あんかけソースがかかった近江牛ハンバーグ。お弁当はハロウィン仕様で、ハンバーグには「食育の一環に」とレシピが添えられている。

11:30頃になると焼きいもも、子どもたち全員分、しっかりと焼けている。

そして、養護老人ホームきぬがさから、御飯とお握り、豚汁が届けられる。この豚汁は非常食としてストックされていたもの。美味しい非常食体験でもある。

お弁当とハンバーグを届けてくださった八日市調理師会の方々から、ご挨拶いただいた後に、子ども達に、お弁当、ハンバーグ、御飯を手渡してくださった。

全員で「いただきます」の後に、心のこもったお弁当とホクホクの焼き芋をいただく。

スタッフのみんなも、移動図書館のスタッフも、ホクホクの焼き芋やおにぎり、豚汁をいただき、「美味しい」ひと時をすごす。

焼きいもを焼いてくださった、子ども会指導者連協の方々に全員で「ありがとうございました」とお礼を言って「ごちそうさま」。

結神社と川並公園で、子ども会指導者連協、東近江市図書館、八日市調理師会、芋畑を提供してくださった川並町の方など、多くの方々の「子どもたちのために」という善意と志(こころざし)が結集した、和やかで賑やかなまさに「コミュニティ」食堂であった。

次回は、11月20日(土)の午前10時に、紅葉で彩られた結神社で開催する予定である。

(報告:社会福祉法人六心会 法人本部 地域支援担当 奥村 昭)