これを秋晴れというのかもしれない。
10月24日(土)は「コミュニティ食堂てんびんの里みなみ」初の土曜日開催の日である。
昨日の雨に打って変わって晴天となった。
何しろ、初めての土曜日開催である。
「子どもたちは来てくれるかな」
スタッフ同士でそんな話をしていると、9時30分を過ぎたころから子どもたちが続々と来始める。
結神社で検温、受付。10時を過ぎる頃には、24名の子どもたちが川並公園に集まった。
高校1年生のボランティアも参加してくれた。
6月に結神社で再開した「コミュニティ食堂てんびんの里みなみ」
毎月第3金曜日の夕方に開催してきたが、10月になると日の入りもずいぶん早くなる。
夕方5時は相当暗くなっていて、また冷え込む。夕方に屋外で開催し続けるのも限界がある。
「しかし、子どもたちのために開催し続けたい。」
10月6日に清水苑の会議室で開催したスタッフミーティングでの結論は、「土曜日の昼間開催」となった。
では、どんな内容にするか。
すると、民生委員・児童委員の奥井さんから「『川並町草の根広場』の畑でさつま芋を植えている方がいて、芋を掘ってもよいと言われている」という話が出た。
即座に「芋堀り」がプログラムに決まった。
さらに、芋を掘るだけではなく焼き芋をしよう。食堂メニューで焼き芋を食べようということになった。
次なる課題は芋を焼く場所である。
神祭長さんにお願いをして結神社で焚火で焼き芋をというアイデアが出た。
しかし、焚火では焼き上がりに時間がかかる。火や煙も心配である。
養護老人ホームきぬがさでは、もみ殻を使って焼き芋をしたことがあるが、これも時間がかかったという。
さて、どうしようかと皆が考えあぐねていたところ、奥井さんから「川並公園の『防災用かまどベンチ』を使ったらどうか」という提案が出る。
そこで、即座に皆で清水苑の向いにある川並公園に行って「防災用かまどベンチ」を確認することに。
「防災用かまどベンチ」はベンチとしては使われていたが、まだ「かまど」として使われたことはないという。
これで焼き芋の場所が決まった。
さらに、きぬがさの吉川所長から、「焼き芋と一緒に、非常食の試食をやってみませんか」という提案が出た。
きぬがさで備蓄している非常食のかやく御飯があり、入れ替えの時期が近付いているという。
芋掘りとかまどベンチでの焼き芋、そして非常食の試食。
芋掘りと焼き芋と「食べる防災学習」というプログラムが決まった。
こうして迎えた当日。
もう一つ、大きな不安があった。それは、うまく芋が焼けるかという不安である。
実はスタッフは焼き芋をあまりしたことがない。あるいは久しぶりすぎて感覚が鈍っている。
そんな不安を吹き飛ばしてくれたのが、五個荘地区社協会長の深尾さんの依頼で協力してくださった、子ども会指導者連絡協議会の3人のボランティアの方々。
かまどベンチに炭を入れ手際よく火をおこししていく。
濡れた新聞紙でさつま芋を巻き、それをアルミホイルに包み、網の上に置く。
その上から底に穴をあけたペール缶をかぶせる。
これで蒸し焼きとなり、さつま芋がホクホクになり、甘さが引き出されるという。
子どもたちは芋掘りに出発。
川並公園から300メールほど歩いた草の根広場の畑でさつま芋を掘る。
大きな芋がズボッと抜ける。
残った小さな芋をよく探して掘り出す。
あっという間に芋が掘れた。収穫は子どもたちのお土産に。
先に仕掛けた焼き芋が焼き上がるにはもう少し時間がかかる。
そこで8月のコミュニティ食堂で楽しんだ「満水リレー」をやることに。
8月は子どもチーム対大人チームであったが、今回は子どもチーム3チームでのリレーに。
勝ったチームは、奥井さんの掛け声で「バンザーイ」と喜びを表す。
そして、いよいよ焼き芋タイムである。
ホクホクの焼き芋を頬張る。
なかには3つ食べた子も。
次に、非常食のかやく御飯と川並ファームからいただいたカボチャ入りのお味噌汁をいただく。
50食分が1袋に入ったかやく御飯に10ℓのお湯を注ぎ、15分蒸らすとできあがる。
「最近の非常食は美味しいもんやなあ」と奥井さん。
さらに、カボチャのサラダも登場。
きぬがさのスタッフの方々は、いつも工夫して美味しく調理してくださる。
芋掘りに焼き芋、かやく御飯とカボチャの味噌汁にカボチャのサラダ。
五個荘川並町の方々と子ども会指導者連絡協議会の方々の温かい協力で、秋の魅力と味覚をみんなで満喫した秋晴れのコミュニティ食堂であった。
(報告:社会福祉法人六心会 地域支援担当 奥村 昭)
最近のコメント