見守るカタチ~川並町支え合い会議再開

令和2年9月2日(水)19:30

平成30年4月から始まった「川並町支え合い会議」がきぬがさ会館で再開された。

会議は3月、6月、9月、12月の第1水曜日に定例開催。

3月と6月はコロナ禍で中止していたが、7月のミニサロンの再開に続き、支え合い会議も再開した。昨年12月からおよそ9か月振りの会議である。

きぬがさ会館

この会議は平成29年12月29日に東近江市社協(市社協)主催、五個荘地区社会福祉協議会(地区社協)共催の「つながりづくり講演会」がきっかけとなり開催された。

講師は住民流福祉総合研究所の木原孝久さん。住宅地図を使い住民自ら取り組む「住民支え合いマップづくり」について講演した。

地区社協は講演会に参加した自治会長にアンケートを実施して、支え合いマップづくりに取り組む意向を尋ねた。すると川並町が取り組みたいと回答。市社協の地区担当者が川並町担当の民生委員・児童委員を通じて、マップづくりについて検討を開始。翌年の2月、3月の2回にわたる検討を経て4月に開始した。

川並町は当初から、会議のメンバーを自治会福祉活動のコアメンバーに絞った。川並町の「気になる人」の個人情報やプライバシー情報を共有することになるからである。

会議再開の日は都合により欠席したメンバーもいたが、自治会長、民生委員・児童委員、福祉委員、市社協地区担当、六心会地域支援担当の合計6名が出席。

川並町の大きな住宅地図をテーブルに広げる。

地図には「気になる人」の住宅に色分けしてカラーシールが貼られている。

赤は80歳以上の高齢者、オレンジは障がい児者、黄色は一人親家庭、緑はサロン参加者、青は集いの場、ピンクは「その他気になる方」~例えば、自治会に加入していない方や認知症の方である。シールの色が足らないので、紫のマジックで外国籍の方を、茶色のマジックで一重丸で福祉サービス利用者、二重丸で施設入所の方をチェックしている。

 

カラーシールとマジックを使って「気になる人」を色分け

 

中でも「特に気になる人」はピンクの付箋をつかって「気になること」を記入して地図に貼る。さらに、空家には黒のマジックで斜線を引く。

この地図を見ながらメンバーが、それぞれ「気になる人」の最近の暮らしの様子や、状況の変化について情報を出し合って、更新していく。

この日は、お亡くなりになった方の情報、認知症の方の様子、自治会に加入していないアパート暮らしの高齢者の困りごとへの対応や開発中の住宅の状況などの話が出され、地図を更新していく。

話し合いの様子(地図の画像は加工しています)

この過程で「この人は注意して見守っておこう」とか「一度様子を確認するため訪問しよう」といった、対応が自然と決まっていくのである。

この日の会議は21:00に終了。

この会議を続けるなかで、今年度から川並町も地区社協が推進する「独居高齢者見守り訪問活動」に取り組むこととなった。

「見守る」とは、無事であるように注意しながら見る、成り行きを気を付けながら見る、と辞書で説明している。「気になる人」もそうだが、そこには「気持ち」がこもっている。「無事で」、「お元気」でといった「願い」がこもっている。

見守り活動は、目的や対象によっていろんなカタチがある。五個荘でもいろんなカタチで見守り活動が行われている。どんなカタチでも「気持ち」や「願い」は共通している。

川並町支え合い会議は川並の見守りの一つのカタチである。

(報告:社会福祉法人六心会 地域支援担当 地域支え合い推進員 奥村 昭)